Tuesday, August 15, 2006

お猿の“もんぺぃ”ちゃん

へのへのもへじのてるてる坊主は
少し滲んだ目をして
窓の外を見つめていた。。。。
そう、あの“もんぺぃ”ちゃんの様に・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・・・

お猿の“もんぺい”ちゃんはnanyがまだよちよち歩きの頃、我が家にやってきた。
小さな子供が抱いて丁度良い大きさで抱き心地も優しく
nanyの大の「お気に♪」であった。。。
お猿の“もんぺい”ちゃんは“くりん”と丸いお目目が愛らしかった。
そこがまたnanyの「お気に♪」だった。。。
しかしその瞳は常に少し滲んでいた・・・・・

      滲んでいた・・・・・・・・・・・。

もんぺいちゃんはかなり精巧で“リアル”に作られたお猿のぬいぐるみだった。。。にも関わらず。。。
何故かその“お目目”だけがマジックペンで描いただけの“手描き”の目だったのである。
しかも周りが少し“にじんで”いた・・・・・
しかし我家にやって来た時には可愛い「ボタン」のお目目が付いていたそうである。。。。
コロンと丸いボタンのお目目が・・・・・・・・

でもnanyはそれを全然憶えていない。
nanyの記憶の中の“もんぺい”ちゃんはあの滲んだ手描きの目をしたもんぺいちゃんだけだ。。。

 そう、これは後で母から聞いた
  ちょっと笑えるnanyともんぺいちゃんのお話・・・

      ******************

nanyは「お気に♪」だったもんぺいちゃんといつも一緒だった。
“おんぶ紐”でおんぶさせてもらったり、ままごと道具でご飯を食べさせるまねをしたりして、よく遊んでいたそうである。
しかしもんぺいちゃんはぬいぐるみである。 だんだん「くたくた」にもなってくる。
糸でつけただけのボタンのお目目も弱くなってきて・・・・

    とうとうお目目がとれてしまったのだ。。。

ある日nanyの火のついたような泣き声に、驚いた母がnanyの遊ぶ部屋に駆けつけた。
するとnanyはいつも大事に抱いているもんぺいちゃんを放り出して怯えるように泣いていたそうである。
見ればもんぺいちゃんの片目がない;
小さな子供にとってその顔はただならぬ恐怖を感じずにはいられなかったのだろう・・
必死に探したが丸いボタンのお目目は見つからなかった。。

その晩、父が帰ると母は相談した。
「裁縫箱にも同じようなボタンがないのよ;」
「それならこうすればいい☆」

父がとった行動はもんぺいちゃんにマジックで目を描くことであった。
父は残った片目をもんぺいちゃんから外すとそこにマジックで丁寧に目を描いた。
丁寧に・・・・・・

      丁寧に。。。。。。。。。。

「ほうらnany♪お目目が付いたじょ~~」
父はnanyにもんぺいちゃんの顔を向けた☆
しかし・・・・・・
それを見たnanyはまたしても火のついたように泣き出してしまった。

なんと父はそこによく眼科の看板に見るようなリアルな「人間の目」を描いてしまったのだった。
人間の顔をしたお猿。。。。。母も悲鳴をあげた。
「早く洗って描き直してきてよーー!」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

かくしてnanyの“もんぺいちゃん”は無事可愛いお目目を取り戻したわけだが、
後から描かれた丸いお目目は少しにじんでしまった;
それでもnanyは今まで以上にもんぺいちゃんを可愛がったそうである。
残念ながらボタンの目のお顔は憶えていない・・・
でもそれでいーのだ☆

nanyのもんぺいちゃんは父の描いてくれた・・・・・・
あの滲んだ目をしたもんぺいちゃんで良いのである。。。

    nany*59%   7*41%・・・・・

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